歌舞は本来劇場用として発達した舞踊ではなく「座敷」という 比較的近くで鑑賞できる空間で舞われる事を目的にしてきました。いわゆる「気」を感じあえる中で「舞」を共有する・・というものである事から、動きも「歌舞伎舞踊」(いわゆる一般に「日本舞踊」と呼ばれているもの)のように大きく誇張したところはなく、あくまで「人間の自然の動き」を基本にして創られています。 |
本姿勢としては「歌舞伎の所作」よりも「能」の動作に近いものといえるでしょう。実際に、能の影響を強く受けながら完成されてきた古典芸能です。地歌がまだ三弦(三味線)が無い室町時代に琵琶の演奏のよって始まったことから、舞もその頃から始まったと考えられます。 *明治以前には「地歌舞」とは言わず、 単に「舞」と呼ばれていました。 |
筋は尾てい骨から首筋まで反りすぎる事なく真っ直ぐに保ち、体重を爪先に乗せる感じで立ちます。そして脚の付け根と膝を若干緩めるように伸びきらないように保ちながら 屈伸し歩行します。これは「相撲やスキー、テニス等でも必要とされる基本姿勢」に重要な部分が重なります。この姿勢及び歩行のし方は おのずと腹筋の引き締めを要求し、顎を引き、転びにくい安定した姿勢及び動きを誘発します。 又、足の使い方には「男足」と「女足」がありますが、どちらも膝より足先をやや「内股」に決める事により、ふだん余り使われない割には 老化に関係の深い「足の内側の筋肉」を鍛える事に繋がります。そして これは「柔道の構えの基本姿勢」と同じで、外からの衝撃に強い、安定した転びにくい姿勢となっています。 |
れらの事柄に加えて、舞は「心の動き」が先行した上で舞の形を作り 上げていくという、形と心がほぼ同時進行という特徴を備えています。これは「日本舞踊」や「クラシックバレエ」などが、まず「形(フォーム)」を作り上げてから、心を吹き込んでいくというやり方をしているのに比べると一見難しいようですが、まず形ができなくてはならない踊りに比べると、意外にも初めから精神的なものの助けを受けるため、そして上記の通り基本が「人間の自然の動き」であるために、肉体訓練が足りなくても 充分初歩の内から楽しめる要素を含んでいます。 |
の踊りにある程度の年齢制限があり、地歌舞では全く年齢が問われないのも上記のような理由によります。 |